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五稜郭公園駅から徒歩五分の佐藤皮膚科・循環器内科医院

佐藤皮膚科・循環器内科医院

患者様と二人三脚で適切な診療を心がける

心臓の病気について

心臓病による死亡は、日本人の死因の第2位を占めています。ここでは代表的な心臓病の症例を取り上げます。

動脈硬化

動脈硬化とは?

心臓から全身に血液を送り出す血管を動脈と言います。動脈の性状は、内膜・中膜・外膜と大きく分けて3つの層に分かれています。この動脈は、心臓から強い圧で押し出された血液が流れる血管なので、強い圧に耐えられるよう通常は弾力、柔軟があり、伸縮が出来るようになっています。ところがこの動脈の層が厚くなったり、硬くなったりして弾力、柔軟が無くなり、血管が細くなる状態を動脈硬化といいます。また動脈硬化は加齢とともに進行するため、血管の老化ともいえます。

動脈硬化とは?

年齢と共にすべての人が動脈硬化が進むわけでは無く、同じ年齢でも血管の状態には個人差があり、食事 、運動、喫煙、飲酒、ストレスなどの生活習慣の違いによって大きく影響されることがわかっています。恐ろしい事に動脈硬化は自覚症状がなく進行し、心臓病や脳梗塞などの病気を引き起こすので、早期に発見し対応する必要があります。

それでは動脈硬化の評価の仕方はどういったものがあるのでしょうか?簡単な動脈硬化の評価の方法の1つに頸動脈エコー検査という検査があります。頸動脈(くびの血管)は、脳に栄養を送る大事な血管です。
この検査は超音波で頸動脈の流れを見るもので、血管の細さの異常を簡単に見ることが出来ます。頸動脈がつまったり、細くなったりして血液の流れが悪くなると、脳梗塞はもちろんのこと、心臓病になる危険が高い事が言われています。そのため頸動脈エコー検査にて頸動脈の流れ、血管壁の厚さをはかることにより、おおよその全身の動脈硬化の進行を知ることができます。
最近は生活習慣の欧米化などで、頸動脈の動脈硬化が増加傾向にあります。特に高脈硬化の評価や糖尿病、高脂血症の方には1度検査をした方がいいでしょう。当院でもこの検査を行い、動脈硬化の評価を行うことが出来ますので気になる方には、おすすめします。検査は全く痛みは無く、食事を止める必要もありませんので簡単に出来ます。

心不全

心不全について

私たちが生きるには、頭から足の先まで体の各部分に十分な酸素と栄養を送り出すことが必要です。酸素と栄養を運ぶのが血液であり、血液を全身に送り出してまた戻すポンプの役割をするのが心臓です。心不全とは心臓の働きが低下した状態であり、心不全は病名ではありません。「心臓の働きが不十分な結果、起きた体の状態」と言えます。車で例えるなら心臓はエンジンであり、心不全はエンジンが故障してうまく車が動かなくなった状態と言えるでしょう。心不全の原因は心筋梗塞、狭心症、心臓弁膜症、心筋症、不整脈などの心臓自体の病気の他に高血圧、慢性の肺疾患、貧血、低たんぱく症、甲状腺疾患など心臓病以外の病気により起こることもあります。現在わが国の心不全患者数は、推定約160万人と言われ、年々増加傾向にあります。それでは心不全になるとどのような症状になるのでしょうか?

  1. 尿量の減少、体重の増加:心臓の働きが弱くなることで血液のめぐりが悪くなり腎臓で尿が作られなくなり、尿が体内に水として貯まって体重が増えます。身体のむくみ・水分が体に貯まると、特に足・手・顔にむくみが現れます。足のすねを指で押さえるとへこみが残ってしまいます。
  2. 息切れ:肺の中に水分が貯まり、うまく呼吸ができなくなり、咳や痰(淡いピンクであわ状の痰)が出ます。
  3. 消化器症状:胃・腸や肝臓からも血液が返りにくくなって腸の粘膜にむくみが現れ、食欲低下、吐き気、消化不良、だるさといった症状が現れます。

症状の進み方は、坂道を上ったり、歩くと息切れがしたり、つかれやすい、足がむくむなどから始まり、進行してくると、あお向けになって寝ると咳が出たり、息苦しくなったり、体を少し起こすことで楽になったりします。そのため、最初は風邪をひいただけだと思う人もいます。このような症状を認めたことがある方は、病院に行き診察してもらい息切れ、むくみの原因を調べるのが良いと思われます。

狭心症

狭心症について

狭心症について

狭心症とは冠動脈(心臓を栄養している血管)の動脈硬化で血管が狭くなり、心臓の筋肉への血の流れが悪くなることで血液不足(酸素不足)となり胸が痛くなる病気です。血液の流れが完全に詰まると心筋梗塞です。狭心症は大きく2つに分けられます。

労作時狭心症

階段や坂を登った時、重いものを持った時など、いつもより激しく動いた時に発作が現れます。原因としては高血圧、糖尿病、高コレステロール血症、喫煙などによる血管の動脈硬化によるものが考えられます。

安静時狭心症

午前4時~6時くらいの明け方に発作が起こることが多いですが、就寝前や寒い時、飲酒後に起こる方もいます。運動とは関係なく血管のけいれんが起こり血管が一時的に狭くなることで発作が起こります。症状は胸がしめつけられる痛みや、圧迫感、どうき、息苦しさなどさまざまです。また発作の場所もあご、みぞおち、左腕、肩に起こる方もいて、人により異なります。そのため胃の病気と思う方もいます。狭心症の検査の基本は心電図ですが、胸のレントゲン、運動負荷心電図(一定時間階段を上り下りしたり、ベルトコンベアの上を歩いたりして心臓に負荷をかけその前後で心電図をとり変化をみる)、心臓超音波検査(心臓の壁の動き、厚さを見る)、24時間心電図(安静時狭心症が疑わしい場合に行う)、などを総合して判断する必要があります。もし異常があれば、最終的には心臓カテーテルの検査(局所麻酔をして手首、肘、あるいは股の血管からストローのようなカテーテルという管を入れ、冠動脈の動脈硬化やけいれんの程度を造影剤を流しレントゲンで見る)が必要になります。

最近は食生活の欧米化、運動不足もあり、若い人でも高血圧、糖尿病、高コレステロール血症は珍しくなく、身近な病気になりつつあります。心臓の場合はいつ発作が起こるかわからないので胸の痛みが症状があった人は、一度医療機関を受診し検査をして下さい。

家庭血圧測定の重要性

高血圧症(血圧の上が140以上または下が90以上の人)は、日本全国で約3,000万人います。これは日本人の4人に1人、50歳以上では2人に1人が高血圧であり、国民病と言えます。高血圧は、自覚症状がなく、動脈硬化が進行し、脳卒中、心臓病、腎臓病などを引き起こし、生死に関わる事態を招きます。したがって高血圧症といわれたら、生活習慣の改善や内服による血圧コントロールが重要となります。アメリカの調査では、高血圧症のうち治療を受けている人は58%、そのうち血圧が良好な人は31%であったそうです。

家庭血圧測定の重要性

このように高血圧を指摘されてもきちんと治療していない人が意外に多いのです。このことから外来診察時の血圧だけで治療をするよりも、毎日の家庭血圧と外来血圧を比較して治療をする事が重要です。なぜか?と言いますと白衣高血圧(病院に来た時に血圧が上がる人)の人や、早朝高血圧(朝起きた時に血圧が上がる)の人などタイプがいろいろあり、最近では早朝高血圧の人が脳卒中、心臓病の危険率が高いと言うこともわかっています。

評価

家庭血圧の診断基準は、収縮期135 mmHg 以上、拡張期85 mmHg 以上。起床後と就寝前に2 回ずつ測定し、朝と夜それぞれの平均値を出し、家庭血圧の診断基準を超えていると高血圧と診断されます。
検診で高血圧と言われたら自覚症状が無くても、まず病院で診察を受けることをおすすめします。
そして、治療が必要かを判断してもらい、治療中でも安心せず自宅で家庭血圧計により血圧を測定しコントロールする事が脳卒中、心臓病、腎臓病などを防ぐ事になります。